チンパンジーえにっきイメージ

岡山県玉野市にあった類人猿研究センター(GARI)で研究のパートナーとして暮らしていたチンパンジー8人。
彼らのようすを、写真を添えてつづってきた2004年8月から2013年3月までの「えにっき」の記録です。

2005.1 「書き初め」他1編

あけましておめでとうございます。 新しい1年の幕開けです。
今年はいったいどんな年になるのでしょう。
今年も個性あふれる面々の日々の様子を楽しく親しみやすくお伝えしたいと思います。どうぞよろしくおねがいします。

新年を迎え、みんなはさっそく「書きぞめ」に挑戦しました。
普段は7色の絵の具を使った「お絵かき」をしているチンパンジー5人ですが、今回は黒と白の世界の「書」に初挑戦です。

真っ黒な入れ物に、独特な匂いのする真っ黒な液。
初めて見る硯(すずり)や墨汁(ぼくじゅう)にみんな興味津々です。
チンパンジーの行動のひとつとして「なんだ、コレ?」と思うものに出会った時、実に至近距離から観察する姿をよく見かけます。
じっくり見て、嗅いで、唇の先でチョンと触れて・・・、そうしてようやく納得するようです。
今回も全員がこれらの行動をとりました。

それにしてもミズキ、そこまで近くで見なくても・・・。

こちらが書きぞめに取り組むみんなの様子です。

ロイも、

ジャンバも、

ツバキも、

ミズキも、

ミサキも、本当に生まれて初めての「書きぞめ」に、とても真剣に取り組んでいました。

ちなみにこちらがロイの作品です。
「なんか、線がいい!」 そう思うのは私だけでしょうか・・・。

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2004年1月のえにっきで、ロイの歯の様子をお伝えしています。 今回はその続報です。

今から1年前。ロイは乳犬歯が抜けたばかりでした。
現在は全ての永久歯が出そろい、このように、犬歯も立派に生えています。

この見事な犬歯に、カチカチに凍ったフルーツさえも簡単にかみ砕く強いあご。
チンパンジー同士のけんかでも、この犬歯は相手にかなりのダメージを与える武器になります。
あってはならないことですが、その武器がヒトに向かえば、こちらは相当なダメージを受けることになるでしょう。
そうならないために、チンパンジーに接する研究員は、事故が起きないよう細心の注意を払っています。
彼らの気持ちをより深く理解し、よりよい信頼関係を築こうと努めることが、チンパンジーと接する者にとってとても重要になっています。

こちらは1月14日にめでたく6歳の誕生日を迎えたミサキの歯です。
上の前歯、向かって左の大きい歯が永久歯。右の小さい歯が乳歯。
この乳歯が今にも抜けそうにグラグラしています。

ミサキもこのグラグラの歯がとても気になる様子。
ちっちゃい顔にでっかい歯のミサキは、決して整った顔立ちではありませんが(笑)それがまたかわいい所です。
まだまだ子どものミサキちゃん、お誕生日おめでとう!!

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