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2015.4月 ----- vol.10~親指が小さな手~

先月はチンパンジーの足の形についてご紹介しました。

チンパンジーの足は、親指とその他の4本の指が向かい合ったつくりの、物をしっかりとつかめる足でした。
(→詳しくはVol.9「物をつかめる足」へ)

それでは、チンパンジーの“手”はどんな形をしているのでしょうか。

じゃーん!
チンパンジーの手はこんなふうになっています。

大人チンパンジーの手

赤ちゃんチンパンジーの手

指の形はヒトとよく似ていますが、手全体を比べると、ヒトよりも指が長くて全体的に縦長な印象を受けます。
ところが、親指だけがアンバランスなくらい小さいのに気がつきましたか。

私たちヒトは物を持つ時、たいていの場合は写真のような持ち方になります。

ヒトの物の持ち方

一方のチンパンジーは、手の親指が小さいため、ヒトとはちょっと違った持ち方をすることがよくあります。

たとえば、小さなものを持つ時。
親指の先と人差し指の側面にはさむようにして持っています。
私たちから見ると、ちょっと不便そうな気も…。

チンパンジーの物の持ち方

親指を使わない、こんな持ち方もあります。

チンパンジーの物の持ち方2

チンパンジーは握力も大変強いので、親指を使わなくても、
親指以外の4本の指だけででぶら下がることも得意です。

4本の指でぶらさがるチンパンジー

 

チンパンジーは人にもっとも近い動物です。
遺伝子の違いもたった1.23%と言われています。

ヒトとチンパンジーを比べてみると、すごく似ているところもあれば、似ていないところもたくさんあります。

“どちらがすごい”という優劣ではなく、1.23%が持つ神秘を時には考えてみるのもおもしろいものです。

似てる?似てない?

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2015.3月 ----- vol.9~物をつかめる足~

この写真はチンパンジーの体のある部分です。
さて、どこの部分でしょう?

これはどこ?

「そんなの簡単!手!」

…と思ったかもしれませんが、正解は「手」ではなくて、「足」なんです。

足でした!

チンパンジーの「足」は、私たちヒトの「手」みたいな形をしています。
私たちの足と大きく違うのはどこだか分かりますか?

チンパンジーの足とヒトの足

チンパンジーの足では、親指が他の指とは離れて横側についています。
少し難しいですが、このようなつくりを「拇指対向性(ぼしたいこうせい)」(=親指が他の指と向かい合うつくり)
と呼んでいます。
それに比べてヒトの足では、すべての指が同じ方向に向いています。
しかもチンパンジーの親指は、ヒトの足の親指に比べるとずいぶんと立派な気がします。

この足のおかげで、チンパンジーはこんなことができちゃうんです。

足でコップを持つ

大きな物でもこのとおり。足でしっかりとつかむことができます。
ヒトの足ではこんなにしっかりと物をつかむことはできませんよね。
せいぜいつかめるのは細長い物でしょうか。

ヒトが足でペンを持つ

実は、ヒト以外の霊長類(れいちょうるい=いわゆるサルの仲間)の足も、
チンパンジーのように親指と他の指が向かい合う構造になっています。
足の指でも木の枝をしっかりとつかめるこのつくりは、木の上で生活するのに適した形です。
一方のヒトは、地上で二足歩行をするようになったため、木をつかむ必要がなくなり、
今の足の形になったと言われています。(※)

確かに、チンパンジーが木に登る姿を見ると、足でもしっかりと木をつかんでいることが分かります。
それでこんなにもスイスイ木登りができるのですね。

チンパンジーの木登りのようす

ついでにもう1枚。
「手をきちんと組んで座る」ならぬ「足をきちんと組んで座る」写真です。
これも、物をつかめる足があるからこそできる格好で、私たちにはとても真似できません。

足をきちんと組んで行儀よく座る

時にはロープを足でつかんで、逆さにぶら下がることができる。
時には両手に持ちきれない食べ物を、足で持っておくことができる。
まるで手が4本あるみたいで、私たちにはうらやましく思えることもあります。

チンパンジーが実際にどんなふうに足を使っているのか、ぜひ注目して見てみて下さいね。

いえい!

(※:一節には、足が拇指対向性ではなくなった結果、ヒトは木の上で暮らせなくなり、
地上で生活するようになったという話もあります。)

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2015.2月 ----- vol.8~性格・行動いろいろーチンパンジーは個性的~

Vol.6からご紹介してきましたが、チンパンジーはみんな、ひとりひとり顔立ちや体つきが違います。
そして性格や行動もまた、さまざまです。
今回はそんな「性格や行動」についてご紹介します。

すっかりお馴染み(?)、チンパンジーのロイ(オス)、ジャンバ(オス)、ツバキ(メス)。

ロイジャンバツバキ

3人は、赤ちゃんや子どもを含む8人の群れで暮らしていました。
チンパンジーの仲間同士の関わり、チンパンジーとスタッフとの関わりをじっくり観察していると、
ひとりひとりの個性が見えてきます。

例えば、こんなふうに・・・。

◆ロイ
・群れで一番強いオス(アルファオス)だけあって威厳たっぷり。
・のしのしと歩く姿が印象的。
・普段はのんびりと過ごしているものの、ひとたび暴れ出したら止まらない。
・虫の居所が悪いと、弱いチンパンジーを追い掛け回すことも。
・でも実は気が小さくて、新しいものに出くわした時には、けっこうビクビクして、誰かにゆだねるタイプ。
・理解力が高くて、スタッフの指示をよく理解し、群れ全体のことを気にかけて動くことができる頼りになる存在。

ロイ

◆ジャンバ
・怒ることはあまりなく、穏やか。
・メスや子どもたちに大人気。子どもとよく遊んだり、赤ちゃんを抱っこしたり、やさしいおじさんタイプ。
・基本的にいつも変わらないマイペースの天然系。
・移動するときになぜか頭をゆらゆらと揺らす癖がある(笑)
・新しいものは超ニガテ。なかなか近づけないし触れない。でも、「いざ」という時には強い。
・ロイと違って、群れ全体を気にかけることは少ない。

ジャンバ

◆ツバキ
・若い頃はよくかんしゃくを起こして周りに当たる、いわゆるトラブルメーカー。
・お母さんになってからは、とても落ち着いてスローペースになった。
・キビキビ動くというよりは、常に「どっこいしょ」という感じ。いつもまったりしていた印象。
・でも、空気を読むタイプで、ひとたび群れの雰囲気が悪くなると、周りに気を遣ってハラハラしちゃうタイプ。
・スタッフに、長い腕をピ~ンと伸ばしてアピールする姿が特徴的。

ツバキ

いかがですか?

行動も性格も三者三様です。

例えば、こんな出来事がありました。
ちょっとしたアクシデントで、チンパンジーの運動場にタヌキが入ってきたことがありました。
この時3人がとった行動は・・・。

タヌキに気付いたとたん、みんなで一斉にワオワオと叫びまくります。
ロイとジャンバがタヌキにダッシュで近づきますが・・・、実際にタヌキを直接捕まえようとするのは・・・
なんとロイではなくジャンバ。

普段「オレは強いぞ」とばかりに暴れているロイより、普段「ボク、ダメなんです・・・」という感じのジャンバの方が、
「いざ」という時に強かったりもします。

また、群れ全体のことを気にかけるのが不得意(?)なジャンバのエピソードとして、こんなことがありました。

毎日、夕方になるとチンパンジーのみんなは、運動場にある山から池、草原と広い敷地内をみんなで列になって
ぐるり一周パトロールをしていました。

いつもその先頭に立つのがジャンバでした。

ジャンバは、みんなをチラチラとみて合図を送り、パトロールに行きます。
すると、みんながついていくという流れです。
しかし、みんなでパトロールに出始めると、ジャンバは意気揚々と(?)先頭を進み、
みんながついてきているかどうかあまり気にしていない様子なのです。

ジャンバだけ走って一周し、なぜかひとりだけ二周してみんなと合流、ということもありました(笑)

3人の違いはこうした行動からだけでなく、
ひとりひとりが描いた絵から見ることもできます。

ロイの絵ジャンバの絵ツバキの絵

これらは、3人が描いた絵です。

ロイは、やさしいタッチ、ジャンバは点描、ツバキは激しいタッチ。

面白いのは、何度描いてもやっぱりそれぞれ同じような絵になること。

人が書く手書き文字には筆圧や文字の大きさなどその人の書き癖が表れていて、
似ているものはあってもまったく同じものはありません。
同様に、チンパンジーの絵もそれぞれの癖のようなものがあってとても個性的です。

実際には、絵だけではなく、積み木の積み方、食べ物の食べ方、さらには寝相まで、
ひとりひとりのチンパンジーに独自のスタイルがあります。

ひとりひとりが違うのは、人もチンパンジーも(もちろん他の動物も)変わりません。
その違いを発見することで、“ただのチンパンジー”だったものが“ひとりひとりの個性的なチンパンジー”として見えてきます。
さらには、そのことでチンパンジーがぐっと身近な存在に思えるような気がします。

みなさんもぜひ、動物園などでチンパンジーひとりひとりの違いを見つけてみて下さい。
チンパンジーを観察するのがきっと面白くなりますよ!

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2015.1月 ----- vol.7~子どもの頃は色白?~

先月ご紹介した3人のチンパンジー、ロイ、ジャンバ、ツバキ。
顔も体つきもひとりひとり違いました。

ひとりひとりの性格、行動の違いをご紹介する前に、
今月は「見た目」について、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

ロイ ジャンバ

ツバキ

この3人、子どもの頃はどんな子だったかというと…

ロイ子どものころ

ジャンバ子どものころ

ツバキ子どものころ

子どもらしい無邪気さを感じさせるものの、やっぱり、ロイはロイ、ジャンバはジャンバ、ツバキはツバキ。

大人になっても、やはり子どもの頃の面影があって、大きく顔立ちは変わっていません。

しかし、顔立ちこそ変わっていないものの、大きく変わったところがあります。
それはどこだか気が付きましたか?

肌の色に注目してみて下さい。
そう、大人に比べると、子どもの頃は肌の色が白いんです。
ところどころ黒い部分はありますが、大人に比べると圧倒的に色白です。

ミズキという子のケースを見てみましょう。そのことがよく分かります。
これは、ミズキの子どもの頃と大人になってからの写真です。

ミズキ

ミズキは、子どもの頃はとても色白だったのに、成長するにつれてだんだんと肌が黒くなりました。
人と同様に、チンパンジーにも個体差があります。ミズキはより色白だったので、特に変化が目立ちますね。
肌の色が違うためか、あまり昔の面影が残っていないような気も…。

実は、黒くなるのは顔だけではありません。手足、さらには、爪の先まで真っ黒になるんです。

大人チンパンジーの爪

個体差はありますが、ご紹介したように、チンパンジーは大人になるにつれて肌の色が黒く変化します。
肌の色の違いは、動物園、またはTVや本で見るチンパンジーが、大人なのか子どもなのか判断する一つのヒントに
なります。
なにかの機会に本物のチンパンジー、または写真や映像を見ることがあれば、肌の色にも注目して見てみて下さいね。

ミズキ親子

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2014.12月 ----- vol.6~顔のちがい、体つきのちがい~

私たちが以前いた研究所では、チンパンジーのことを多くの方に知っていただくため、教育活動をおこなっていました。

その時に、お客様によく聞かれたことがあります。それは、
「スタッフの方はやっぱりチンパンジー1頭1頭の見分けがつくんですか?」 という質問です。

今回は、疑問に思う人が多いかもしれない(!?)チンパンジーひとりひとりのちがいについてお話します。

下のチンパンジーの顔写真を見て下さい。

ロイの顔ジャンバの顔ツバキの顔

初めてだと、ぱっと見ではみんな同じに見えるかもしれません。
しかし、じっくり見比べてみてください。
ほら、ひとりひとり顔つきが違っています。

たとえば、3人の顔にはこんな特徴を見つけることができます。

●ロイ
…頭のてっぺんがたいら。眉のところの盛り上がりが一直線、毛がふわっとしている など

●ジャンバ
…顔の色が茶色っぽい、黒いまだら模様がある、鼻の下が長い、頬がコケている、鼻毛が白い など

●ツバキ
…顔が真っ黒、頭の幅が狭い(頭が小さい)、目がクリッとしている、頭のてっぺんの毛が薄い など

この特徴をふまえて、もう一度、顔写真を見比べてみて下さい。
ほら、もう顔の違いがわかってきていませんか?

 

体つきだって違います。

ロイの歩いているところジャンバの歩いているところツバキの歩いているところ

見慣れてくると、遠くから見てもすぐにだれか分かるようになってきます。
こんな距離だって・・・。

みんなが歩いているところ1みんなが歩いているところ2

人の場合、髪型、肌の色、背の高さ、身につけるもの(メガネ、服)など、さまざまな手がかりがあるので、
ひとりひとりを区別するのは簡単です。
それに比べて、チンパンジーは、みんな黒い毛なので、見分けるのが難しいのは確かです。

でも、じっくりと観察すると、顔つきの他にも、毛の色も質も、体格も、肌の色も違っているため、
外見から見分けられるようになります。

とはいえ、経験のある私たちの目でも、初対面のチンパンジーを短時間で正確に見分けることはなかなか難しいことです。
特に、親子や兄弟はよく似ていますし・・・。

今回は、チンパンジーの見た目の違いについてお話しましたが、外見だけでなく、もちろん性格だってひとりひとり
違っています。
その、見分けるお手伝いをしてくれるのが、ひとりひとりの「行動」です。
私たちにも「癖」があるように、チンパンジーたちにもあるんですよ。

その詳しいお話は、また今度・・・。

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2014.11月 ----- vol.5~チンパンジーの目の色は?~

今月はチンパンジーの目の色についてお話します。

はじめに、日本人の目を思い浮かべてみて下さい。
「黒目のまわりに白目がある」簡単に表現すると、こんな感じになるでしょうか。

では、チンパンジーはどうなのでしょう。
下の写真はチンパンジーの目のアップです。
あれ?私たちと比べると、何かが違いますね。

ロイの目

気がつきましたか?
そう、チンパンジーには白目がないのです。
私たちで言うところの「黒目」の部分も薄い茶色をしています。
白目は、視線の方向をはっきりとさせます。ヒトはコミュニケーション能力が発達したことにより、
白目が発達したと考えられています。

顔全体で見てみると、確かに、白目がないと目の輪郭があいまいではっきりしませんね。

ロイの全体写真

ちなみに、チンパンジーに人の目を入れてみると、こんな風になります。

おかしなジャンバ

う~~~~~ん・・・・・・。
チンパンジーを見慣れていると、目がギョロッとしていて、とても奇妙に見えます。
本来はこれ。やっぱりこっちの方が落ち着きますね(笑)。

正しいジャンバの写真

しかし、例外的に白目が目立つチンパンジーもいます。
私たちがいた研究センターにも、そんな子がいました。
イロハという女の子です。

イロハは、他の子と違って白目が目立ちました。
だからといって特に違和感があるわけでもなく、それはそれでイロハの個性の一つとして、とても可愛らしいものでした。

イロハ

白目パワーか、不思議に目力があるようにも思えました(笑)。

イロハの目

近くでじっくり観察しなければ気づきにくい目の色。
今度チンパンジーに会うことがあったら、このことを思い出して、やんわりとのぞいてみてはいかが!?

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2014.10月 ----- vol.4~チンパンジーの体の大きさ~

「チンパンジーはどれくらいの大きさ?」と聞かれたら、みなさんはまず一番にどんな想像をするでしょうか?

今月は、チンパンジーの体の大きさについてお話します。

チンパンジーは「大型類人猿」の仲間です。
そう聞いて、「あれ?チンパンジーってそんなに大きかったかな?」と思う人がいるかもしれません。
みなさんが想像した私たちに馴染みの深いチンパンジーは、人よりも随分小さくかわいらしいチンパンジーかもしれません。

下の写真を見て下さい。

ヒトとチンパンジーの大きさ比べ1

これは大人のヒト(男)と大人のチンパンジー(男)です。

この子は、「ロイ」というチンパンジーです。体重は60キロを超えています。
残念ながらロイは足が短く、ずんぐりとした体形ですが、手足が長くもっと大きい体格のチンパンジーもいます。
チンパンジーは筋肉もムキムキなので、実際に大人のチンパンジーを間近で見ると、その迫力に圧倒されるくらいです。

ヒトとチンパンジーの大きさ比べ2

 “小さくてかわいい”というイメージもあるチンパンジーですが、大人になるとかなり大きくなります。

年齢と成長度合いをヒトの基準に当てはめた場合、チンパンジーは、ヒトよりも成長するスピードが少し早いです。
こちらは「ナツキ」というメスのチンパンジーです。

ナツキの成長過程

2枚の写真を見比べると、体つきや顔つきが大人になっていくようすがよくわかります。

人と比べても、6歳の時にすでにこの大きさです。

ナツキとヒトの大きさ比べ

大まかにチンパンジーの体の大きさをご紹介しましたが、
人でも「がっちりしている人/痩せている人」「背が高い人/低い人」など人それぞれの体格の違いがあるように、
チンパンジーも、体の大きさは個体によってマチマチです。
もし、動物園などでチンパンジーを見かけることがあったら実際の大きさを観察してみて下さい。
同じくらいの年齢のチンパンジーでも、意外と体の大きさが違うなど、発見があるかもしれませんね。

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2014.9月 ----- vol.3~チンパンジーは類人猿(るいじんえん)~

先月のコーナーで、「チンパンジーにはしっぽがないよ」というお話をしました。
実は、しっぽがないのはチンパンジーだけではありません。

チンパンジーのほかにも、霊長類(れいちょうるい=いわゆるサルの仲間)の中で、
テナガザル、オランウータン、ゴリラ、ボノボも同じようにしっぽがありません。

これらの、しっぽがない霊長類(テナガザル・オランウータン・ゴリラ・ボノボ・チンパンジー)は
“類人猿(るいじんえん)”と呼ばれています。
なかでもテナガザル以外の体の大きな類人猿は“大型類人猿”と呼ばれています。

類人猿は霊長類の中でもっともヒトに近いグループです。
他のサルたちに比べると、ヒトと同じような特徴がよりたくさんあるということです。
「しっぽがない」こともそのひとつです。

さて、この“類人猿”という言葉、英語では“ape”。
類人猿以外のサルは“monkey”なので、明らかに区別されています。

“Planet of the Apes”(原題)という映画がありますが、何の映画かピンときますか?
―――日本版のタイトルは『猿の惑星』です。英語版から忠実に訳すと本当は『類人猿の惑星』・・・。
なるほど、考えてみるとこの映画に登場するのはオランウータン、ゴリラ、チンパンジーと
類人猿ばかりだったことに気が付きます。

“類人猿”という言葉があまりメジャーではない日本では、
チンパンジーやゴリラは「サル(monkey)だ」と言われがちですが、
厳密には、“サル(monkey)”ではなくて“類人猿(ape)”なのです。

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2014.8月 ----- vol.2~チンパンジーのしっぽ~

下の2枚の写真はどちらかが正しくて、どちらかが間違っています。
正しい方が分かりますか? (写真をクリックすると拡大します。)


正解は・・・・・・右側です。

2枚を見比べると、左の写真にはしっぽがありますが、右の写真にはしっぽがありません。
そう、チンパンジーにはしっぽがないのです!

「チンパンジーってどんなしっぽ?」と聞かれると、
枝に巻きつくような細長いしっぽを想像する人も多いのでは?

チンパンジーをうしろから見るとこんな感じです。 (写真をクリックすると拡大します。)
確かにしっぽがありません。

もし、どこかでチンパンジーのぬいぐるみやキャラクターを見かけたら、
こっそりお尻を見てみてください。
あれれ、しっぽがついているものがけっこうあります。
お馴染みの、あのキャラクターもこのキャラクターも…。
チンパンジーのしっぽのことはまだまだ誤解されているみたいです。

そんな中、“おさるのジョージ”として有名な『ひとまねこざる』(原題:Curious George)の
主人公ジョージにはしっぽがありません。
実は、ジョージは何の動物なのかはっきりしていないそうですが、
どうもチンパンジーをモデルにしているみたいです。

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2014.7月 ----- vol.1~”チンプ”??~

コーナータイトルにも入っている“チンプ”、初めて耳にする人もいるかもしれません。

“チンプ”というのは、“チンパンジー”を略した呼び方です。

英語表記では”Chimpanzee”ですが、長いので単語の前半部分を切り取って
”Chimp(チンプ)”と呼ばれることがよくあります。
日本ではあまり一般的でないのでなじみがないかもしれませんが、
専門家の間ではポピュラーな呼び方になっています。

動物園では“チンパ”と呼ばれることもあります。

ちなみに、複数形は”Chimps”です。ちょっとこなれた言い方(?)、
よかったら使ってみて下さいね。

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