アースメイト・チンパンジーNEXT NEWS　2013年度

2014.2.17 ----- 今日はツバキのおたんじょうび

今日は私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ツバキ」の 18歳のお誕生日です♪

「ツバキ」と言えば、さつまいもとマンゴー（が好き）。
さつまいもをうれしそうに食べて、のどにつまらせて苦しんでいたことも多々ありました(笑)

食べ物の好き嫌いがはっきりしていて、同じ食べ物でも良いものと悪いものをよく見分けるかなりグルメな女の子。
好き嫌いせず、ちゃんと食べているかな？
ツバキ、お誕生日おめでとう！！

ミサキバースデイカード

2014.1.27 ----- 「新たな門出」

私たちが以前、朝から晩まで毎日かかわっていた8人のチンパンジーが岡山県の研究所から熊本県にある京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリに移動をして、はや一年が経ちました。→詳しくはこちら

一年前の1月21日と24日。
この両日が、彼らとの“お別れの日”と決定してから、毎日この日が来るのが怖く、毎日がやりきれない思いだったことを今も覚えています。

この両日は私にとって忘れられない日。

その一方で、あの時期のみんなとのひとつひとつの具体的な出来事はできるだけ思い出さないようにしていた気がします。

チンパンジーがそばにいない一年は、とても早いものでした。
彼らと別れてからの一年、アースメイト・チンパンジーNEXTの土台を作るために、活動をしてきましたが、なかなか思うようには進められませんでした。

それなのに、あっという間に一年が経ってしまうという焦りや、どんなに大切に思っていても、チンパンジーと過ごした記憶も徐々に薄らいでいくという事実。

そんなもやもやとした思いもあって、
「チンパンジーのみんなとお別れした同じ日、同じ時間にあの場所に行ってみよう」と思い立ちました。

そこに行って、何かを感じるのか、何も感じないのか、まったくわかりません。
でも、原点ともいえるその場所にただ行ってみたかったのです。

夜明け前の出崎半島

一年前と同じ時間、夜明け前に同じ場所に行きました。
暗闇が少しずつ光に包まれ、半島を照らしていきます。

海の音と鳥の声しか聞こえない、静かな朝でした。
一年前までは、ここにチンパンジーの騒ぎ声があったことが信じられないくらいです。
その場所に行って、何を思ったかは・・・？

遠くから見るGARI

過去から何を学び、そこからどんな風に新しいことが展開していけるか、まだまだ私たちの活動の道のりは険しいと思います。
たった14年しか存在しなかった研究所ですが、そこでおこなわれてきたことや、チンパンジーたちのことは、まだまだ何かの役に立てられると信じています。

また、研究パートナーであった彼らに何らかの形で恩返しができるよう、改めて考え、行動していかなければならないと思った日でした。

出崎の日の出

2014.1.14 ----- 今日はミサキのおたんじょうび

今日は私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ミサキ」の15歳のお誕生日です♪

設立時に来たロイ、ジャンバ、ツバキ、ミズキの4人のチンパンジーから3年遅れで来たミサキは、
群れの中での順位も、年齢も一番下。小さい頃は、いつも仲間にくっついていたり、スタッフにおんぶをしてもらったり、末っ子として育ちました。
そんなミサキは、自由奔放で裏がない、でも、ちょっぴり「おとぼけキャラ」な女の子。
それがまたかわいいところです。

今回は「ザ・ミサキ」とも言える「ミサキっぽい」表情をバースデイカードにしてみました(笑)

風邪などひかず元気にしてるかな？
ミサキちゃん、お誕生日おめでとう！！

ミサキバースデイカード

2013.12.16 ----- 今日はミズキのおたんじょうび

今日は私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ミズキ」の17歳のお誕生日です♪

赤ちゃんの頃から人に育てられたミズキは、人が大好きで、その環境もあってか、人のやることをいつも観察して、実際に自分でもやってみる。そんな子です。（下の写真は8才の頃のミズキ）

もっと小さい頃は、なぜかストッキングをはいた足が大好きで、いつもスリスリしていたそうです(笑)

コンピュータや新しい実験装置を使った研究では、GARIではミズキが一番早く慣れました。

ミズキがかつての研究所でそこにいたスタッフと信頼関係を築き、長期間、協力してくれた脳波の研究において、
先日、新しい論文が発表されましたので、あわせてご紹介いたします。

Neural representation of face familiarity in an awake chimpanzee
（PeerJのサイトへ移動します）

ミズキ、元気にしてるかな？お誕生日おめでとう！！

ミズキバースデイカード

2013.12.9 ----- 2013年10月12日の北海道保育問題研究会記念講演のご報告

去る10月12日。
「え？10月なのに、気温30度！？」だった蒸し暑い岡山を離れ、すっかり肌寒くなった北海道に行ってまいりました。
遅ればせながらその時のご報告をしたいと思います。

（写真：会場のようすを撮り忘れたので、北海道庁です…笑）

北海道保育問題研究会のみなさまにお招きいただき、講演と講座をさせていただきました。
当日は、「チンパンジーの子育てに学ぶ～彼らのとなりで過ごした9年間の記録から～」と題した講演、「チンパンジーとヒトのコミュニケーション」と題した講座をさせていただき、保育の現場で毎日子どもたちとかかわっている保育士の先生方を中心に、437名の方がご参加くださいました。

講演では、私が以前いたチンパンジーの研究所で一緒に過ごしてきたチンパンジーのこと、そこで見てきたツバキ、ミズキ、ミサキの3人のお母さんの出産や子育てのようすをたくさんの写真や動画を交えてお話をしました。

（写真：ツバキとナツキ親子）

はじめての子育てに戸惑ったり、どうしようもなくなったり、それを乗り越えて育児方法をを習得していくチンパンジーのお母さんの姿や、それを支えるスタッフの思い…。
私のつたないお話をみなさん熱心に聞いてくださり、映像を見て、涙する方も多く見られました。

はじめは「保育の研修会なのに、えー！なんでチンパンジー？」と思われている方もたくさんいらっしゃったと思います。
でも、チンパンジーのお話で、何かを感じて考えるきっかけにしていただけていたらうれしく思います。

先日、その時の参加者のみなさんのご感想をいただきましたので、少しご紹介させていただきたいと思います。

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・チンパンジーの子育て、信頼関係づくり・・・人と通じるところがいっぱいあり、とっても共感できました。そして感動しました。ありがとうございます。

・チンパンジーはこんなにも人らしいんだと感動しました。チンパンジーの関わり、子育てが本当に一生懸命で、人間が学ばなくてはいけない部分もたくさんあると感じます。子どもと向き合うことの大切さ、真剣に関わる事の大切さを感じました。とてもよかったです。

・チンパンジーという題に最初すごく目をうたがい、どのような講演だろうと思ったのですが、聞いてみるととても胸があつくなりました。映像もあり、わかりやすかったです。ありがとうございました。

・チンパンジーとの関わりと、保育での子どもたちと向き合う姿勢がとてもつながっていて、私たちも本当に真剣に子ども達と向き合ってこそ信頼関係ができ、成長していけるのだということを学ばせていただきました。みんちがってみんないいという個性を大切にしつつ、その一つ一つと向き合えるように私もがんばりたいと感じました。とてもよい講演で感動しました。

・チンパンジーと子どもの保育とむすびつく場面がたくさんあって改めて愛情をもって保育しようと思いました。また講演ききたいです！

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よいご感想を集めてくださったのかな…？とは思いますが(笑)、本当にたくさんのご感想をいただきました。
これからも少しでも多くの方に彼らのことを伝えていけるようがんばりたいと思います。ありがとうございました。

（楠木希代）

ロイとの対面のようす
（写真：アルファオスのロイと対面してトレーニングをするようす）

2013.9.29 ----- 2013年9月21日のトークライブ無事終了いたしました

まだ夏の暑さが残る晴れた土曜日の午後、神戸市兵庫区にある小さな古民家でお話会をおこないました。

昔ながらの古民家で、赤ちゃん連れのお母さん、お父さん、学生さん、お仕事をバリバリがんばるおねえさんなど、みなさん一緒に畳の上座って聞いていただくアットホームな会になりました。

当日は、チンパンジーという動物について、ゲーム感覚で楽しみながら彼らにも個性があることを知っていただいたあとで、子育てのお話、また、私がチンパンジーのお仕事に就くまでのお話をさせていただきました。

時に笑い、時にうなずき、みなさんとても真剣に聞いてくださいました。

会の途中では、今回の会を主催してくださったイセマムマミィさんによる「チンパンジーの好物を使ったデザート」も♪

バナナとあんこを使った「バナナもなか」と、紫芋・煮りんご・キウイなどフルーツがたくさんはいった「紫芋とりんごの白玉パフェ」！

会が終わってから「チンパンジーってそんなに好きじゃなかったけど、好きになりました」というお母さんや、「チンパンジーの子育てを見て、今の自分の子育てを考えるきっかけをもらえました」など、たくさんの感想をいただきました。ありがとうございます。

「チンパンジーの研究所でチンパンジーとかかわりたい！」というのが私の高校の頃からの夢でした。
まさか大人になって本当にチンパンジーとお仕事ができるとは思ってもいませんでした。
今はもう、彼らとはかかわれてはいませんが、こうしてチンパンジーのことをもっと多くの方に知っていただき、もっと身近に感じ、理解していただくことが、私がこれからもできることだと思っています。

ご参加、ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました！

（楠木希代）

130921古民家お話会古民家のようす
（写真上：会のようす写真下：バナナもなか）