今年も椿の花が咲く時期になりました。椿の花を見ると、私はいつもチンパンジーの「ツバキ」を思い出します。
今日は、私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ツバキ」の19歳のお誕生日です♪
私は、椿の花だけでなく、椿がデザインされたものを見てもなんとなく彼女を思い浮かべてしまいます。
美人画で有名な岡山県出身の画家、竹久夢二もよく椿の絵を描いています。
ツバキ→ 椿→ 竹久夢二→ 美人画→ ツバキ?
こんな連想をしていると、竹久夢二の描くしっとりとした女性が、
大人になってからの少し憂いをふくんだ目のツバキに似ていなくもないかなぁ・・・などと考えてしまいます(笑)
写真で見ていると、ツバキはしっとりとしていますが(?)、実は彼女にはなかなか抜けない癖がありました。
それは、「ロッキング」と呼ばれる常同行動です。
特に彼女自身が落ち着かない状況にある時などに、座っている姿勢のまま、
いつもゆらゆらと体を一定のリズムで揺らしているのです。
アルファオスのロイがディスプレイを始めそうな時や実験室での時間がなんとなく嫌な時など・・・。
「貧乏ゆすり」のようなもので、見ているこちらもなんとなく落ち着かなくなって止めたくなるのですが、
原因を取り除くことができないので止めることもできません。
こんな出来事がありました。
一時期、ツバキのロッキングの揺れ幅がとても大きい時がありました。
遠くからそれを見ているだけならそれほど気にならないのですが、一緒に実験室に入り、
いつもそばにいる私たちにはなんだか気になる揺れです。
「ちょっとツバキ、揺れ過ぎ。ツバキだけ電車に乗ってんの?」
ツバキに冗談を言いつつ、そこにいたスタッフ全員がツバキの揺れをまねして
「ゴトン、ゴトン」と電車に乗った気分で一緒に揺れてみると・・・。
ツバキが(不審がって)止まる・・・。
「あ!ツバキが止まった~」
と笑いながらみんなが止まると、・・・またツバキが揺れる。
みんなが揺れると・・・ツバキが止まる。
みんなが止まると・・・ツバキが揺れる。
エンドレス。
そんなことを繰り返して遊んだささいな出来事が、ふと懐かしく思い出されました。
ツバキ、もしかして今日も揺れてるかな?
19歳のお誕生日おめでとう!
今日は、私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ミサキ」の16歳のお誕生日です♪
ミサキがもう16歳!!
なんだか時の流れを感じてしまいます。
というのも、私が初めてミサキと出会ったころ、彼女はまだ3歳でした。
実験室内で、いつもスタッフにおんぶをしてもらっている小さな小さな女の子でした。
その頃のミサキは、まだ“人”との信頼関係を築いている途中で、
トレーニングもなかなか大変そうだった記憶があります。
ミサキがお母さんから離れて新しい群れに加わったタイミング、新しい環境、もともとの性格など、すべてを含めて、
彼女は「こちらの思い通りにはさせてくれない子」でした。
ミサキは母親代わりになってくれたお姉さんチンパンジー、“ツバキ”を信頼し、スタッフに対しては
なかなか心を許しませんでした。
当時、新人だった私はなおさらです。
ミサキの視界の中に私はいるのかな?と思うほど、頼りになんてしてもらえませんでした。
でもそんなミサキが、初めて私を頼りにしてくれた瞬間、というのを今も覚えています。
ミサキと出会って約1年後、ツバキが出産に伴って群れから離れていた時のことです。
チンパンジー5人は、いつもは大きな寝室でみんな一緒に寝ていました。
そして、毎晩スタッフが添い寝をして寝かしつけていました。
チンパンジーの群れの中に人が入ることは、一歩間違えばとても危険なこと。
新人だった私は、彼らに触れるわけでもなく、ただ近くで横になり、私がいることに慣れてもらうという
トレーニングをしていた頃でした。
ツバキは出産後、しばらく群れから離れ別室で子育てをしていました。
このため、ミサキは母親代わりだったツバキとしばらく離れることになりました。
そんなある夜、いつものように寝かしつけの時間に私が横になると、急にミサキが私に近づいてきて横に座りました。
そしておもむろに、横になっている私の腕を持ち上げました。
何が起こるのかわからなかった私は、彼女に身を任せました。
すると、ミサキは私の腕を床に置き、腕枕にして寄り添って寝始めたのです。
突然のその行動に驚くと同時に、心細くなったミサキが私を頼ってくれたことがうれしくて、
何とも言えない気持ちになったのを覚えています。
この日から、ミサキと私の関係は変わりはじめたように思います。
それから約10年間ミサキと付き合いました。
もちろん思い通りにいかないことはたくさんありました。
でも、それがミサキ。
彼女の行動は“不思議ちゃん”というか、理解できないこともたくさんあるのですが、なんだか憎めないのです。
愛嬌あるそんなミサキの姿を懐かしく思います。
現在の彼女たちのようすは、熊本サンクチュアリのWEBサイト、できごとのページでご覧いただけます。
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリWEBサイト
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kumasan/index.html
ミサキ、元気にしているかな?
16歳のお誕生日おめでとう!!
今日は、私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ミズキ」の18歳のお誕生日です♪
ちょうど一年前のミズキのお誕生日、このコーナーでミズキのことをこんなふうに紹介しました。
“赤ちゃんの頃から人に育てられたミズキはその環境もあって、人のやることをいつも観察して、実際に自分でも
やってみる子”と。
ミズキは本当に人のやることをまねるのが大好きでした。幼い頃の生育環境が、彼女に与えたことは他にもあります。
ミズキにとって“人”はとても近い存在であったため、“人が大好き”である一方で、
“この人ならいたずらできる”
“この人の言うことはちゃんときかなきゃ”
という判断も簡単にしてしまうこと・・・。
心の奥でじっくり何かを考えているような彼女の目を見ると、なんとなく私の考えの数手先を読まれているようで、
時々どきっとさせられました。
ミズキとのエピソードでこんなことがありました。
その頃、毎日のように実験室でミズキとその娘イロハと対面していた私たちスタッフ。
当時イロハはまだ3歳くらいでした。
実験時間の途中でイロハが室内の隅でおしっこをしはじめました。
私がすぐにその場にあったぞうきん二枚を両手にそれぞれ持ち、床にひろがったおしっこを拭き始めた時、
右手に持つぞうきんをひっぱられる感覚があったのです。
見ると、ミズキがひっぱっていました。
すぐにいたずらだと思った私は、「ミズキ・・・!」と叱ろうとして気づいたのです。
ミズキは、彼女たちが座る台の上にも少し落ちていたイロハのおしっこを拭こうとしてくれていたのでした。
「あ、ごめんミズキ。ありがとう。」
なんだかミズキを疑ってしまったことが申し訳なく思ったのと同時に、「ここもちゃんと拭かないと!」とわかってやっているミズキに感心させられた出来事でした。
毎日一緒にいると感じないけれど、ふとした瞬間にあらためてチンパンジーの能力に驚かされた出来事はたくさんあります。またそんなエピソードをご紹介できればと思います。
そんな彼女たちの今のようすは、熊本サンクチュアリのWEBサイト、できごとのページでご覧いただけます。
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリWEBサイト
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kumasan/index.html
ミズキちゃん、風邪ひかないように!
18歳のお誕生日おめでとう!!
2014年9月末、
ロイとツバキが京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリから、愛媛県立とべ動物園へ移動しました。
このことを知った時、私は「近くなったから会いに行ける!」という単純にうれしい気持ちではなく、
正直なところ、とても複雑な気持ちになりました。
一番に心配したのは「移動に伴う彼らの負担」です。
麻酔をかけ、オリに入れ、新しい場所に移動させる。
このことがそこにかかわるスタッフにとって大変、ということ以上に、チンパンジーにとって
とても大きな負担になるということを、1年半前、私たちの研究所から熊本サンクチュアリへの移動の際、
実際にかかわって強く感じたからです。
今、日本では約320頭のチンパンジーが動物園や研究施設で暮らしています。
血統の問題やそれぞれのチンパンジーが抱えている問題などを考えると、やはり移動は避けられません。
そのことを頭ではわかっていながらも、人の都合でチンパンジーを移動しなければならない現実に
当時から複雑な思いを持っていました。
飼育している以上、避けては通れない問題、でも…。と。
だからこそ、私たちはいつも彼らのことを考え、手を抜かないようにかかわってきたつもりです。
きっとチンパンジーの飼育に携わっている人は皆、それぞれにいろんな複雑な思いを抱えていると思います。
そして皆、目の前にいるチンパンジーの暮らしをもっと良くしたいと日々いろんなことを考えているのだろう
と思います。
私たちの目の前には、もうチンパンジーはいませんが、これまでかかわってきたロイやツバキたちはもちろん、
日本で暮らすチンパンジーの暮らしをもっと良くするお手伝いをしたい!その思いは変わっていません。
今回のことはそうしたことを改めて深く考えるきっかけになりました。
彼らと別れて1年半。
会いに行ったとしても、すぐに別れなければならない現実を考えると、どうしても簡単に会いに行く気にはなれません。
今すぐは無理かもしれませんが、いつかきちんと心の整理がついたら、ふたりに会いにいけたらと思っています。
今日は、私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「イロハ」の6歳のお誕生日です♪
イロハのお母さんは、いつも優等生として研究に協力してくれていたミズキ。
そして、イロハのお父さんは、勘のするどいロイ。
そのふたりの子どもは親以上に優等生になりそうだ!イロハが生まれる前、そんな期待をしていたことを思い出します。
ところが・・・。
赤ちゃんの頃のイロハはいつも、ぽーっとしていて、ほとんど発声もせず、食も細く、なんだか「大丈夫?」と思ってしまうほどおっとりとしていました。
生後すぐに、新米お母さんのミズキに乱暴に扱われたことがイロハをぽーっとした子にさせたのか・・・
と、かなり心配をしたこともありました。
でも、そのぽーっとしたところがイロハのいいところ。他の子にはない特別のかわいさがありました。
また、彼女は驚くほど純粋。
悪知恵を働かせていたずらをするとか、スタッフに対して怒る、ということがほとんどありませんでした。
いつもぽーっとしていて、いつもまっすぐなイロハが、いつのころからか人一倍実力を発揮し始めたこと。
それが、「食に対する執着」・・・。
この小さな体のどこにこの食べ物が消えていくの・・・?と思うくらい、食べる、食べる、食べる・・・。
そういえば、ミズキもロイも食に対する執着は強いほう。
あ、イロハはふたりのその部分を受け継いでいたのですね(笑)
イロハちゃん、今もモリモリ食べているかな?
そんな彼女たちのようすは、熊本サンクチュアリのWEBサイト、できごとのページでご覧いただけます。
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリWEBサイト
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kumasan/index.html
イロハ、6歳のお誕生日おめでとう!
(↑ぽーっとしたイロハの変身ぶりは・・・写真の上にカーソルを乗せてみて下さい。)
※写真が変わらない方はコチラ
今日は、私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ジャンバ」の19歳のお誕生日です♪
出会ったときから私はジャンバのとりこでした(笑)
何にも考えていないようなぽかんとしたしぐさ、小さな目、まだらな肌、頭を縦にふりながら走る姿。
どこを切り取っても、個性的なジャンバ。
彼が成長してがっしりとした体格なってからもそれは変わらず、群れの子どもたちと遊ぶ姿や、
あっさりと終わるワンパターンなディスプレイ(笑)など、私にとってはさらに魅力が増えました。
ジャンバはいい意味で、いつも私たちの予想を裏切った行動をする子でした。
しかも、その予想を裏切った行動は私たちを困らせるというより、いつも私たちを笑わせてくれました。
私が毎朝のようにチンパンジーひとりひとりと対面をし、体温や体重をはかりながら朝食をあげていたころ、
私にとっては、彼は優等生でした。
私がチンパンジーのみんなにまだまだ一人前と認められていなかった時期、毎日たくさんトラブルがありました。
部屋に誘導しても入ってこない、体温を測るのを嫌がる、逆に部屋から帰らない、などなど・・・。
しかし、ジャンバとはそうしたトラブルがほとんどなく、いつもスムーズでした。
彼だけは私を認めてくれていた・・・のなら素敵な話ですが、多分そうではない理由で(笑)、
いつも優等生でいてくれたのです。
そんな、いつも決まり切った行動をする優等生のジャンバが、ある時変わった行動をしました。
いつものように朝食の時間に彼を部屋に呼ぶと、いつものようにスムーズに部屋に入ってきて私と向かい合ったとたん、彼は私の手をとって自分の胸にあてたのです。
一瞬、私の頭の中は「?」でいっぱいになりましたが、何かつらいことがあったのか助けを求めている気がして、
すぐに声をかけながらハグをしました。
すると、ジャンバは「キャー」とかすれ声でなきながら、抱きついてきました。
そんな行動が数日続きました。
その頃、毎日のようにアルファオスのロイが夜中に寝室でディスプレイをしていました。
たまに、ジャンバが攻撃されることもありました。
そのプレッシャーから私に助けを求めているのかなとその時は予想していましたが、ジャンバのことだから、
真相はちがっていたのかもしれません。
私が彼にずっと期待してきたこと。
それは「ジャンバの子どもが見たい」ということ。
独特な魅力を持ったジャンバの子どもがどんな子か、やっぱり見てみたいと今も思っています。
ジャンバ、元気にしてるかな?
そんな彼らのようすは熊本サンクチュアリのWEBサイト、できごとのページでご覧いただけます。
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリWEBサイト
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kumasan/index.html
ジャンバ、19歳のお誕生日おめでとう!
今日は、私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ロイ」の19歳のお誕生日です♪
私がかかわってきた8人のチンパンジーの中で、彼は特別な存在でした。
アルファオス(群れのリーダー的存在)だったからというだけでなく、
彼はとても攻撃的な一面と、とても繊細な一面をもったかなり難しい性格だったからです。
他のチンパンジーと接するよりも、他の人間と接するよりもかなり大変だったなぁと、今、しみじみ思います。
でも同時に、ロイは包容力のある優しい子だったことも思い出します。
私がチンパンジーに興味を持った時、「チンパンジーと握手をするときは、人との握手と同じように手のひらとひらを
合わせて握るのではなく、チンパンジーの手の甲側を握ること」と、テレビで見たか本で読んだ記憶があります。
「チンパンジーの握力は200キロ以上とも言われていて、故意に力を入れられた場合、簡単に握りつぶされてしまう」ということでした。
その後、私が実際にチンパンジーとかかわるようになってから、その言葉を「なるほど~」と思ったことがあります。
どう考えても人間には素手で曲げられないだろうという鉄の棒を、彼らは指の力だけで簡単にぐいっと曲げて
しまいます。その力には本当に驚かされました。
でもロイは、赤ちゃんチンパンジーと接するときはもちろん、私たちとの遊びの時間には、
力を加減して接してくれます。
さらに、私がロイと手のひらとひらで握手をしても、遊びを要求しても、抱きついても(笑)、時に一緒に楽しく、
時に「しかたないなぁ」という感じで(笑)、いつも受け入れてくれていました。
もちろん、私はロイが本当に嫌がることはしませんでしたが、ロイはいつもその場の状況や私たちの考えを
理解したうえで、受け入れてくれていた気がするのです。
その頃、私たちスタッフは毎晩のようにチンパンジーと同じワラのベッドに横になり、手をつないだり、
抱っこをしたりして寝かしつけをしていました。
彼らがまだ幼い頃に始め、継続していた「習慣」のようなものです。
大人になってからは、大人の男のプライドを尊重して(?)、ロイとジャンバという男の子たちは
近くで寝るだけで、手をつないで寝ることはしませんでした。
しかし、みんなと別れる少し前のこと。
その日、いつもと少し違う位置に寝始めたロイの足先と、私の手が触れました。
少しロイの反応を確かめるように私はロイの足先を握りました。
すると、ロイは私の手を、(手のような)足でやさしく握り返してくれました。
ロイと手をつないで寝た最初で最後の夜でした。
私がロイを我が子のように思うくらい、時にロイも私を我が子のように思ってくれていたのか・・・
それは定かではありませんが、そこには攻撃的な一面をもったチンパンジーの姿が想像できないくらい、
穏やかな空気が流れていました。
暴れると手がつけられないくらい攻撃的な一方で、いつも群れの仲間や私たちのことを気疲れしそうなほど気にして、
いろんなことを受け入れてくれていたロイ。
そんなロイが、現実から少し離れて(?)気持ちよさそうにのんびりお昼寝している姿を懐かしく思います。
私が親密にかかわったチンパンジーはたった8人しかいませんが、いろんな個性をもった多くのチンパンジーを
もっと知れたらと思っています。
ロイ、今日ものんびりお昼寝してるかな?
健康に気をつけて、これからも元気に過ごしてくれることを願っています!
そんな彼らのようすは熊本サンクチュアリのWEBサイト、できごとのページでご覧いただけます。
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリWEBサイト
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kumasan/index.html
ロイ、19歳のお誕生日おめでとう!
今日は、私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ナツキ」の9歳のお誕生日です♪
ナツキの父親は、乱暴者でみんなを怖がらせる半面、繊細な心の持ち主のロイ。
ナツキの母親は、これまた怒らせるとすぐに手が出る性格の半面、そわそわ落ち着きがなく、いつも周りの様子を気にするデリケートなツバキ。
そんな二人の間の初めての子どもがナツキです。
ナツキは、母親のツバキにも、群れの仲間にも、そしてスタッフにもかわいがられて幼少期を
過ごしたからか(?)、落ち着いた、たくましい子に育っていたように思います。
そんなナツキとの思い出で、私が印象に残っている出来事。
それは、ナツキの几帳面さが感じられた日常の出来事です。
以前私たちがいた研究所では、毎朝、チンパンジーと直接対面をし、体重、体温、女の子は発情の状態を確認するため、あわせて性皮の腫脹を計測していました。
私一人でチンパンジーと対面をするときには、一人でチンパンジーに指示を出し、一人で計測をして、
一人で記録用紙に記録しなければなりませんでした。
手際よくさっさと済ませなければ、彼らも嫌になって私の指示を聞いてくれなくなる可能性があります。
私は、いつもさっさと、計測、記録、計測、記録と繰り返していました。
そんな中で、当然のように、記録するためのボールペンを、私はいつも適当に置いては取る、
適当に置いては取る、と繰り返していたのですが、
そんな時、ナツキの几帳面さを感じる面白い出来事があったのです。
ナツキは、私がいつも適当に置いていたボールペンを、私がナツキの性皮を計測している間に、
所定の位置であるクリップボードに挿してくれました。
私がポイっと置くたびに、ナツキはいつも所定の位置に挿してくれて、次に私がボールペンを取るときには、いつも所定の位置に戻っていました(笑)
「出したら戻す」整理収納の基本ですね(笑)
ナツキにしてみれば、何気なくやっていたことだと思いますが、その奥底にある両親から受け継いだ繊細さのようなものを感じて、とてもほほえましかったことを思い出します。
ナツキ、今もそんなようなことやっているのかな?
これからも元気にたくましく育ってくれることを願っています!
そんな彼女たちのようすは熊本サンクチュアリのWEBサイト、できごとのページでご覧いただけます。
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリWEBサイト
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kumasan/index.html
ナツキ、9歳のお誕生日おめでとう!
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今日は、私たちが以前いたチンパンジーの研究所で暮らしていた「ハツカ」の6歳のお誕生日です♪
6年前の今日、スタッフ全員でハツカの誕生を心待ちにし、無事に生まれたときには、そこにかかわった関係者全員で、何十通りもの、彼女の名前を考えました。
第1回投票、第2、第3回投票・・・。
その結果、「初夏(ハツカ)」に決まったのですが、私は当時いたスタッフSさんが強く推していた名前が忘れられません。
その名前は、「瀬戸」。
岡山出身で郷土愛のあるSさんらしい名前の候補でした(笑)
古風な名前の「せとちゃん」もよかったのかなぁ?
そんなせとちゃん、いやいや、はっちゃんも6歳になりました。
どんなふうに成長しているのかな?
およそ1年半前に別れて以来、私たちは彼女たちに会っていませんが、
はっちゃんは、今も熊本サンクチュアリで元気に暮らしていることでしょう。
そんな彼女たちのようすは熊本サンクチュアリのWEBサイト、できごとのページでご覧いただけます。
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリWEBサイト
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kumasan/index.html
はっちゃん、6歳のお誕生日おめでとう!
※写真 瀬戸の花嫁風(?)ハツカ(1歳の頃)
アースメイト・チンパンジーNEXTとして、9月から環境教育活動を再開いたします!!
団体運営に伴って、教育活動を有料とさせていただくことになりますが、お子さまからお年寄りまで、年齢層に合わせた最適な環境教育活動が提供できるよう努力していきたいと思います。
諸般の事情により、今しばらくお時間をいただきますが、今後ともよろしくお願いいたします。
教育活動の詳細については、後日、お知らせいたします。